2020年2月○日
整形外科病棟にやってきた。
こちらも大部屋で、産婦人科病棟ではそれぞれカーテンを閉めていたし夜だったので他の患者さんが全く見えなかったが、この部屋ではわりとカーテンを開けていて、他の患者さんをみることができた。
実は数日後、産婦人科病棟に入院していたときの隣のベッドの患者さんと再会(そもそも顔を合わせていないので再会という言葉が適当なのかはわからない…)することになる。それはまた今度。
この時の私の状態
前回の記事にレナシスについては書かせてもらったが、私の動きを妨げるものは何もレナシスだけではない。
左肘は85度くらいの角度に曲がったままシーネで固定され、左脚はまっすぐ伸ばした状態でシーネで固定されていた。
そして手のひら以外は無事だった右腕には抗生剤などの点滴がついていた。
なので感覚的にはベッドに張り付けられている状態。
寝返りをうつことはもちろんできなく、体圧がかかるおしりがとても痛くなり、身体の下に、身体を斜めに傾けられる三角形のクッションのようなものを看護師さんが入れてくれて、なんとかやり過ごす状態だった。
あとベッドのリクライニングで頭の位置を上げるのも効果的だった。ベッドのリクライニングのリモコンを常に取れる位置に置いておいて、自分で操作した。
とにかくほぼ天井を見上げているだけで、天井にはめ込めるテレビがあったらいいのにってバカなことも思っていた。
同室の人は手の怪我の人が多く、歩いて自分でトイレに行けていてそれも羨ましく感じた。
私はこの時テープタイプのオムツをつけていた。
またこの時、尿道カテーテルという膀胱内にカテーテルを留置して、尿を体外に排出するものをつけていた。
膀胱内でバルーンを膨らませているので、簡単には取れることはない。
この尿道カテーテルをつけていると、おしっこをしようと思っていなくても勝手に出ていくのだ…
私が「トイレに行きたい」と看護師さんに訴えたら、「もうちゃんと出ていますよ」と言われて、なんだか人間としての機能をひとつ奪われたようでショックだった。
ちなみに尿が外に出ているのにしたいと思ったのは、カテーテルが引っ張られたりすると膀胱が刺激されるから尿意のように感じるということだった。
そして大きいほうはというと、直接オムツにするか差し込み便器というものを使ってするというのである。
直接オムツに便を排泄するのはお尻が気持ち悪くなりそうだし、なによりも自尊心が許さなかった。
私は差し込み便器というものを使用することを選んだ。
差し込み便器について、私の拙い文章で説明するのは難しいので、詳しくはイラストレーターのまりんさんのブログを参考にしていただきたい(ご本人に許可を得てリンクを貼らせていただいています)。
やはりプロのイラストレーターさん、絵も可愛くて上手で、とても分かりやすい!絵心がない私としては実に羨ましい限りです…
そもそも日頃から便秘気味の私は、酸化マグネシウムを服用して排便コントロールをしていた。
これは妊娠中も医師に処方してもらって服用していたので、今回も自分から処方してほしいと訴えた。
基本毎食後2錠だが、便の調子によって飲む錠数を減らすなり一回服用をスキップしたり、調整ができる。
この薬との付き合いは長いのでそれに関してはよくわかっていた。
とくに病院にかかっていない時も頓服薬として市販薬を家に常備している。
気づいたらずっと便秘症だった私は、ヨーグルトや食物繊維、本当に色んなものを試したがダメだった。
この薬はほぼお腹が痛くなることはなく、効き目もかなりあると思うので私は助けられている。
あとウィズワンも結構合った。
コーラックは強すぎた(コーラックにも弱いタイプなど、色々なものがあると思うが)…
処方してもらった酸化マグネシウムを服用して、便意がきたらナースコールを押して差し込み便器を持ってきてもらう。
差し込み便器の上に寝る形になるので、かなり体重がかかるわけなのに差し込み便器は固い…
しかし私は幸いなことにお尻に肉クッションを蓄えていたので、そこまで辛くはなかった。
ただこれが痩せている方だとはなしは違うと思う。
利用者の意見として、今後ソフトタイプの差し込み便器が開発されることを切に願う(もうあるかもしれないが…)。
もう車椅子に乗る
そんな状態の身で、ベッドでシクシクしていると、数名の看護師さんと主治医の先生がやってくる。
「さ!車椅子乗るか!」と。
もう乗るのか!?と思ったけど、いつまでもベッドに張り付けは嫌だ。
先生や看護師さん、そして右腕と右脚の力を使って車椅子に移乗。
自分でも結構頑張ったからか、なかなかスムーズに移乗できて
「やっぱ若いねー」と言われる。少し嬉しい。
車椅子に乗れたからといって、右手には点滴、左脚は挙上板というものに足を伸ばして乗る。
また、レナシスもついているので、誰か付き添いが必要で、点滴棒やらレナシスを動かしてもらわなくてはいけない。
気軽に移動手段を確保できたわけではないが、寝ているだけではなくて座ることができたのが嬉しかった。